ドコモの新料金プランでポケットWiFiはお得になったのか?
2019年6月1日より提供開始となったドコモ(docomo)の新料金プラン。これまで基本料金やパケットパックなどに分かれていた料金プランが、原則として2つの新料金プラン(ギガホ・ギガライト)に集約され、シンプルになった。
料金プランは分かりやすくなったものの、肝心な月額料金そのものは安くなったのだろうか?これまでドコモのポケットWiFiは非常に利用料金が高額だったため、当ブログでもWiMAXなどドコモ以外のポケットWiFiをおすすめしてきた。
そこで本稿では、新料金プランをもとにドコモでのポケットWiFi利用がお得なのかどうかを検証、ドコモユーザー、あるいはドコモ回線を利用したい方にとっておすすめのポケットWiFiはどれかを確認したい。
ドコモのポケットWiFiにも適用される新料金プラン
2019年5月22日に予約受付が開始され、6月1日から提供が開始されたドコモ(docomo)の新料金プラン、ギガホとギガライト。ドコモのスマホ・タブレットはもちろん、ポケットWiFiなどのデータ通信端末にも適用される新料金プランだ。
まずは、ドコモの新料金プランについて概要を紹介、ギガホとギガライトの違いについても解説したい。
2019年6月開始のドコモ(docomo)の新料金プラン~ギガホとギガライトの違い
2019年6月以降、ドコモ(docomo)の料金プランはギガホとギガライトの2つに集約される。この2つの大きな違いはデータ通信容量だ。
月間30GBを月額6,980円で利用できるギガホプラン
ドコモの新料金プラン・ギガホは月間通信容量30GBまで速度制限無しで利用できる、インターネット通信料が多い場合におすすめのプランだ。期間限定での割引キャンペーン等もあるものの、原則として月額6,980円となる。これは基本料金やSPモード使用料も含めた総額だ。
またギガホプランの魅力が30GBの容量超過後も、最大通信速度1Mbpsでの利用可能な点だ。以前のドコモや他社の通信サービスでは、規定容量を超過すると速度が約128Kbpsに低下する厳しい速度制限が発生したが、これがやや緩やかな速度制限になっている。1Mbpsは動画などの利用には厳しい速度制限だが、メールの送受信やWEBサイトの閲覧程度であれば可能と言える通信速度だ。
月間1~7GBを月額2,980円~利用できるギガライトプラン
比較すると、ドコモの新料金プラン・ギガライトはインターネット利用量の少ない場合におすすめのプランと言える。月額料金はインターネット通信の利用量に応じて下記の表のように変動する。
利用可能データ量 | ギガライト・月額料金 |
---|---|
~1GB | 2,980円 |
~3GB | 3,980円 |
~5GB | 4,980円 |
~7GB | 5,980円 |
ドコモの新料金プラン・ギガライトの注意点は速度制限だ。月間7GBまでは使った分だけ請求されるため安心だが、仮に月間7GB以上の通信を行うと通信速度が約128Kbpsまで低速化する速度制限がかかる。これはギガホの場合と違い、厳しい速度制限だ。
また5GB~7GBの通信量を利用するユーザーにとっては月額料金が5,980円と、ギガホと比較して割安感が少ない点もギガライトの注意点だろう。
ドコモのポケットWiFiを利用する場合の月額料金(旧プランとの比較)
上記の新料金プランでドコモのポケットWiFiを利用する場合、旧料金プランと比較してお得になったのだろうか?下記にて、ドコモの新・旧プランの料金を比較する。
データ通信量 | ドコモ・旧料金プラン | ドコモ・新料金プラン |
---|---|---|
5GBの場合 | 6,400円 ※データプラン・ベーシックパック(5GB) |
4,980円 ※ギガライトプラン(~5GB) |
20GBの場合 | 7,400円 ※データプラン・ウルトラデータLパック(20GB) |
6,980円 ※ギガホプラン(月間30GB) |
30GBの場合 | 10,000円 ※データプラン・ウルトラデータLLパック(30GB) |
6,980円 ※ギガホプラン(月間30GB) |
料金比較表の通り、特に月間データ通信利用料が5GB程度のユーザーや20~30GBのヘビーユーザーにとってはドコモのポケットWiFi料金が安くなり、お得になったように見える。ただし、これはドコモの旧プランが異様に高かったためとも言えるだろう。
他のポケットWiFiとドコモの新料金プランを比較した上でも、ドコモのポケットWiFiはお得でおすすめだろうか?以下で検証してみたい。
他のポケットWiFiとの料金比較(ドコモ VS WiMAX・Cmobile)
契約件数3,000万件を超える人気のポケットWiFiと言えばWiMAXだろう。特に月間通信容量が無制限のギガ放題プランが通信量の多いユーザーに人気のポケットWiFiだ。一方、地方などWiMAXの電波が圏外となるエリアでポケットWiFiの利用を検討する方もいるだろう。そのような方におすすめはドコモ回線を利用するポケットWiFi・Cmobileだ。
それぞれのポケットWiFiの料金とドコモ(docomo)の新料金プランを比較し、どちらがおすすめかを以下で確認していく。
ドコモとWiMAXの料金比較~どっちがおすすめのポケットWiFiか?
ポケットWiFi・WiMAXは、20社以上のプロバイダで同じサービスを契約できる。プロバイダが違っても、利用する通信回線や通信速度、対応エリアは全く同じだが、WiMAXの月額利用料金プランや利用可能なキャンペーンの種類などが契約プロバイダにより異なる。
このため、以下のドコモの新料金プランとの比較はWiMAXプロバイダの中でも料金が最安クラスのBroad WiMAXを利用する場合を前提に行った。
データ通信量 | WiMAX(Broad WiMAXの場合) | ドコモ・新料金プラン |
---|---|---|
5GBの場合 | 2,726円~ ※ライトプラン(月間7GB) |
4,980円 ※ギガライトプラン(~5GB) |
20GB以上の場合 | 3,411円~ ※ギガ放題プラン(月間通信量無制限) |
6,980円 ※ギガホプラン(月間30GB) |
比較をすると、やはりドコモのポケットWiFiは依然として高額だ。特にインターネット通信量が多い場合、月間通信量無制限で利用できるポケットWiFi・WiMAXのギガ放題プランが魅力的だろう。月額料金はドコモのギガホプランのほぼ半額だ。
もちろん家族で複数回線を契約することでドコモの料金が割引されることもあるが、ポケットWiFI単体で比較すると安いポケットWiFiはWiMAXと言えそうだ。
一方、WiMAXの電波が圏外となるエリアでは、他のポケットWiFiの検討が必要だ。
ドコモとCmobileの料金比較~どっちがおすすめのポケットWiFiか?
WiMAXの方が安いとしても、利用するエリアがWiMAXの圏外であれば他のポケットWiFiの利用を検討せざるを得ない。また日本国内にはまだ「ドコモ(docomo)しか繋がらない」エリアがあるようで、携帯電話・スマホと合わせてポケットWiFiもドコモの通信回線を利用できるものを探しているユーザーも少なくない。
そこで、ドコモの公式ポケットWiFiと比較・検討をおすすめしたいのが、ドコモのXi回線を利用するポケットWiFi・Cmobile(シーモバイル)だ。
Cmobileには月間通信量無制限プランと、インターネット利用が少ないユーザー向けの月間通信量5GB制限の2つのプランがある。このうち、月間無制限プランには3日で2GBまでの通信量制限があるため、実質無制限で利用できるのは月間最大20GBまでの点に注意が必要だ。
しかしながら、同じドコモ回線利用でありながら、下記の料金比較の通り、ドコモのギガホ料金よりも安い金額でドコモ回線のポケットWiFiを利用できる点がメリットだ。
データ通信量 | Cmobile(シーモバイル) | ドコモ・新料金プラン |
---|---|---|
5GBの場合 | 2,800円 ※Cmobileプラス Xi Ⅲ(月間5GB) |
4,980円 ※ギガライトプラン(~5GB) |
20GBの場合 | 3,600円 ※Cmobileプラス Xi 使い放題(月間通信量無制限※実質月間20GB) |
6,980円 ※ギガホプラン(月間30GB) |
Cmobileの場合、使い放題プランでも実質月間容量が最大20GBまでのため、20GB以上のインターネット通信を利用したい場合はドコモのポケットWiFiを契約せざるを得ない。一方、逆に20GB以下の容量で良い場合、ポケットWiFi・Cmobileの月額料金はドコモの新料金プランと比較しても魅力的だ。
まとめ
結論で言えば、どのポケットWiFiがおすすめかは利用エリアと使用するインターネット通信料による。
- WiMAXの圏内エリアであればWiMAXがおすすめのポケットWiFi
- WiMAXの圏外エリアであればCmobileがおすすめのポケットWiFi
- WiMAXの圏外エリアで月間20GB以上の通信を行う場合は、ドコモの新料金プラン・ギガホでのポケットWiFi契約
というのが、お得にポケットWiFiを利用するための基本的な考え方と言えそうだ。