auのポケットWiFiってUQ WiMAX?じゃ、Broad WiMAXって何??
先日、とある方との会話で「auのポケットWiFiを契約して使っている」と聞いて、「あー、UQ WiMAXですね」と回答したら、「いや、auです」と真面目な顔で回答されてしまった。
確かにauユーザーがauショップなどで契約すると、それは「auのポケットWiFi」以外の何物でも無いのだろうが、UQ WiMAXやその他プロバイダで契約できるWiMAXのルーターと全く同じものを使っている、と理解していないのは不幸なことかも知れない。
本稿ではauのポケットWiFiとは何なのか?WiMAXと何が違うのか?auやUQやBroadなどさまざまなWiMAXの違いは何かについて解説したい。
auのポケットWiFiとはUQコミュニケーションズが運営するWiMAXである
最初に結論を言えば、auのポケットWiFiとUQ WiMAXは同じものである。そして、UQコミュニケーションズが回線を管理・運用するWiMAXサービスは、20社以上のプロバイダで契約できる。auはそのWiMAXを契約可能なプロバイダの1つに過ぎない。
これは使用するルーター端末や通信回線、および通信速度や対応エリアまでもがすべてauとUQ WiMAX、その他のWiMAXプロバイダですべて同じことを意味する。
UQ WiMAX以外のプロバイダはすべてMVNO
MVNOという言葉がある。
MVNOは、Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略。何やら難しそうですが、携帯電話などの無線通信インフラ(ケータイやスマホに電波を送るための基盤のこと)を他社から借り受けてサービスを提供する事業者のこと
(NTTコミュニケーションズのWEBサイトより引用)
要するに通信回線は持たずに、他社の通信回線で(あたかも自社で通信設備を持っているかのように)サービスを提供する事業者がMVNOだ。そう書いてしまうと何かズルい会社のように見えてしまうが、格安SIMや格安スマホなどの会社のサービス(「ドコモ回線を使用」などと必ず併記されている)などもすべてMVNOだ。
これは、ドコモやソフトバンク、auなどが通信回線を寡占状態に占有し、好き放題料金を吊り上げてしまうのを防ぐために国が保証している仕組みだ。
そして、WiMAXもまたUQコミュニケーションズが通信回線を管理しながら、20社以上のMVNO(プロバイダ)に回線を貸し出し、WiMAXの通信サービスを契約できるように開放している。この構造で言えば、auもまたUQ WiMAXのMVNO(プロバイダ)の1つン過ぎないことになる。
つまりauのポケットWiFiとは、UQコミュニケーションズが管理するWiMAX通信回線をauが借りて提供しているポケットWiFiサービスと言うことになり、UQ WiMAXなど他のプロバイダが提供する通信サービスと、エリアも速度もすべて同じと言うことになる。
auポケットWiFiの無制限プラン=WiMAXのギガ放題プラン
共通するのは通信サービスのエリアや速度だけでない。auポケットWiFiの料金プランも(月額料金などの価格やキャンペーン内容を除いて)他のWiMAXプロバイダと同じである。
通常、WiMAXでは月間通信量7GB制限のプランと、月間通信量が無制限のギガ放題プランの2つが提供されるが、auのポケットWiFiも同様で7GBプランと無制限プランの2つ。ただし、料金プラン名はそれぞれ「WiMAX 2+ フラット for DATA」「WiMAX 2+ フラット for DATA EX」と変わっているので、独自のプランのように思えてしまう。
しかし、実態としてはauポケットWiFiの無制限プラン=DATA EXプラン=WiMAXのギガ放題プランという図式が成り立つ。月間無制限とは言え、直前3日間での通信量が10GBを超過すると速度制限がかかる点も同じだ。
auのポケットWiFiはauでなくても契約できる
ここまでの説明の通り、auでポケットWiFiを契約しようとも、その他のWiMAXプロバイダで契約しようとも、ポケットWiFiルーターの性能・スペックやインターネット接続サービスの内容、料金プラン内容はどこでも同じなのだ。
では一体何が違うのかと言うと、利用するWiMAXの料金プランの月額料金や、適用可能なキャッシュバックなどのキャンペーン内容が違いとなる。
つまり同じWiMAXのポケットWiFiルーターサービスであるにもかかわらず、auで契約するか、他のWiMAXプロバイダで契約するかで、料金・費用負担が違うのだ。通信サービスの内容そのものは同じだとすれば当然料金の安いプロバイダでの契約がおすすめとなる。
他のMVNO(プロバイダ)と比較するとauのポケットWiFiは料金が高い
ここで問題になるのがauで契約するポケットWiFi(WiMAX)の料金だ。この月額料金は月間通信量7GBプラン(WiMAX 2+ フラット for DATA)で3,696円、ギガ放題プラン(WiMAX 2+ フラット for DATA EX)で4,380円であり、UQ WiMAXで契約するのと同じ価格だ。これはいわゆるWiMAXの正規料金である。
これと比較して、通信設備を維持・管理する必要のないMVNO(プロバイダ)は、安い料金でサービスを提供できることになる。月額料金が割引価格で安いことで人気のWiMAXプロバイダ・Broad WiMAXの場合は、月間通信量7GBプランが2,726円、ギガ放題プランが3,411円と、それぞれauで契約するポケットWiFi(WiMAX)の料金と比較して月額で1,000円近く安い。
逆に言えば、対応エリアや速度などのサービス内容が全く同じサービスにもかかわらず、auやUQ WiMAXでの契約は料金を損するだけとも言える。
auスマートバリューmineは、auでの契約でなくても適用可能
WiMAXについて良く調べているauユーザーの場合、「auスマートバリューmine」と呼ばれる割引の申請を考えているかもしれない。これはauユーザーがWiMAXを契約すると申請可能になる割引制度で、手続きをするとauの利用料金から月額最大で1,000円が割引される。
この制度を利用して安くWiMAXを契約しようと考えているユーザーの中にはauでの契約が必要と思われるかも知れない。
実はこの「auスマートバリューmine」は、auユーザーがau以外でポケットWiFi・WiMAXを契約しても適用可能なのだ。前述した月額料金の安いBroad WiMAXで契約してもauスマートバリューmineを利用でき、割引を受けられる。
突き詰めると、やはりauでポケットWiFi・WiMAXを契約する理由やメリットがほとんど見当たらないのである。
いずれにせよauユーザーにおすすめのポケットWiFiはWiMAX
以上、auのポケットWiFiを紐解いてみると、中身はWiMAXと同じだということを紹介した。しかしながら、auユーザーにとっておすすめのポケットWiFiはWiMAXであることは変わらない。auスマートバリューmineを利用できるため、ソフトバンク回線を利用するポケットWiFi(Y!mobileやYahoo! Wi-Fi)やドコモ回線のモバイルルーターなどよりも確実に安い料金でポケットWiFiルーターを利用できるからだ。
さらに、auのポケットWiFiでもあるWiMAXは、独自のWiMAX2+通信回線を使ったインターネット通信に加え、auの4G LTE回線を使ってもインターネット接続が可能と言うメリットもある。auユーザーにとっては普段から自分がスマホや携帯で使っているauの4G LTE回線を使えるポケットWiFiルーターとなれば、電波が繋がることも分かっており、安心して契約できるだろう。
ただ唯一の注意点はauショップでポケットWiFiルーターを契約しない、WiMAXのMVNO(プロバイダ)を利用する、ただそれだけである。