どんなときもWiFiは本当に完全無制限のポケットWiFiサービスなのか?

「無制限」を謳うポケットWiFiは世の中に多数あるが、月間通信容量は制限なしでも実際には3日間でのデータ通信量があったりと、完全無制限のポケットWiFiは無かった。このため、実際には「無制限」では無いと知りながらも、中でも使い勝手の良いWiMAXのギガ放題プランなどが人気を集めていた。

そんな中、待望の完全無制限のポケットWiFiが2019年になって誕生した。それが本稿で紹介する「どんなときもWiFi」だ。月間通信量無制限はもちろん、3日間や当日1日のデータ容量制限もなし、完全に無制限のポケットWiFiである点が注目ポイントであり、おすすめ理由となるサービスだ。

本当に無制限で利用できるのか、また契約上のリスクやデメリットがないのか、本稿ではどんなときもWiFiのサービス内容や料金プランの詳細に迫ってみたい。

2019年サービス開始!完全無制限のポケットWiFi・どんなときもWiFi

どんなときもWiFi

2019年に新たに開始されたポケットWiFiサービス・どんなときもWiFi。TVCFやインターネット上の広告・宣伝で目にしたことがあるという人も多いだろう。これまでのポケットWiFiは「無制限で使い放題」と言っても実は何らかの制限のあるサービスばかりの中、よほど自信のある無制限ポケットWiFiサービスだからか、宣伝にも力を入れているようだ。

筆者には、すでにどんなときもWiFiを契約、利用している知り合いがいるが、話を聞くと本当に無制限で利用できるようだ。試しに24時間、Youtubeの動画を再生し続けても一切の通信制限が発生しなかったらしい。

筆者もいよいよ本当の無制限ポケットWiFiが誕生したのかと思い、どんなときもWiFiのサービス内容を詳しく調査してみた。以下で解説、紹介したい。

無制限かつ3日間のデータ容量制限が無い上、月額料金3,480円と安い

筆者の友人が試したように、実際に通信量の制限が無く、無制限で使い放題のポケットWiFiであることが、どんなときもWiFiの第一の魅力だ。公式サイトを確認しても、特殊なケース(異常なレベルの大容量通信)を除いては一切通信制限なしと明記されている。

他のポケットWiFiは(WiMAXのギガ放題プランも含め)、月間通信容量が無制限で使い放題と謳っていても、直前3日間での通信量は10GBまでなどのデータ容量制限があり、超過すると速度制限が発生するのが常だ。この3日間の通信量制限も無い点が、他のポケットWiFiとどんなときもWiFiを比較した際の最大の違いだ。

さらに注目は月額料金だ。どんなときもWiFiがいくら完全無制限とは言え、もし料金プランが非常に高額なら、WiMAXなど他のポケットWiFiを2回線契約するなどの方がコストパフォーマンスが良いかも知れない。

ところが、驚くべきことにどんなときもWiFi完全無制限・料金プラン「データ放題プラン」の月額料金は3,480円。ドコモやソフトバンクのポケットWiFiの場合、月間30GBの大容量プランでも6,000円前後。それと比較して、データ容量が完全無制限にもかかわらず、わずが月額3,480円は驚異的とも言えるだろう。人気のポケットWiFiルーターであるWiMAXと同程度の月額料金であり、十分検討に値する価格だ。

クラウドSIM技術搭載!ドコモ・ソフトバンクau回線をすべて使える

どんなときもWiFiが人気・おすすめの理由は「安い月額料金」の「完全無制限ポケットWiFi」だけに留まらない。なんと「ドコモ・ソフトバンクau3キャリアすべての通信回線を使えるから、他サービスと比較して利用可能エリアが圧倒的に広い」のだ。

実は、どんなときもWiFiモバイルルーター端末にはSIMカードが無い。これは最新のクラウドSIM技術を搭載しているためだ。通常、携帯電話やスマホモバイルルーターなどの通信機器にはSIMカードが必須だ。どんなときもWiFiの端末の場合、SIMカードの情報がクラウドサーバー側に保存されているというのだ。

通常、SIMカードには通信回線の利用に必要な契約情報などが書き込まれているが、これがどんなときもWiFiの場合はサーバー側にあり、接続の都度、最適なSIM情報が採用される。つまり、利用エリアがドコモ回線しか接続できない場合はドコモの情報が、au回線しか繋がらない場合はauの情報が、クラウドSIM側で自動的に採用されるのだ。

どんなときもWiFiの利用エリアは、1つの通信回線しか使えない他のポケットWiFiと比較して間違いなく広い

このクラウドSIM技術が何を意味するかと言うと、どんなときもWiFiの利用可能エリアが圧倒的に広いと言うことだ。日本の中でも特に地方では未だにドコモしか電波が入らないエリアや、ソフトバンクの電波が一番強い地域などがあるだろう。

ドコモのポケットWiFi契約では当然ドコモの電波が入るエリアでしか端末を使用できないが、どんなときもWiFiの場合はその都度、最適な通信回線が自動選択される。つまり、ドコモ・ソフトバンクauのいずれか1つでも回線電波を受信できるエリアであれば、すべてのエリアでどんなときもWiFiを利用可能になるのだ。

どんなときもWiFiのポケットWiFiルーターは海外でも利用可能

さらに上記クラウドSIM技術の恩恵として、どんなときもWiFiのポケットWiFiルーター端末は海外でも使用することが可能だ。従来のポケットWiFi端末は日本国内でのみ利用可能で、海外旅行時などに現地で利用することができない。これはSIMカードに海外現地での接続に必要な契約情報が無いからだ。

比較して、どんなときもWiFiルーター端末はクラウドSIM。海外で使用するときは現地の通信回線の利用に必要な情報が、クラウドSIM側で自動選択されるのだ。

このように、どんなときもWiFiの魅力・利点は完全無制限に留まらず、日本国内の広いエリアで使える、さらに海外でも使えるという、これまでのサービスには無かった最強のポケットWiFIサービスなのである。

どんなときもWiFiの契約リスクやデメリット

以上はどんなときもWiFiのおすすめ理由であり、ここまでの内容であれば、WiMAXや他のポケットWiFiと比較して、非常に使い勝手の良いポケットWiFiと思える。その一方、どうしても何か裏があるのでは無いかと勘ぐってしまう。筆者が徹底的に調べ上げた上で、どんなときもWiFiの契約で注意すべきリスクやデメリットを紹介したい。 

モバイルルーター端末がレンタル扱い、解約時の返却や破損時の違約金が必要

どんなときもWiFi・D1端末

どんなときもWiFi・D1端末

どんなときもWiFiの契約にあたり注意しておきたいのが、使用するモバイルルーター端末D1がレンタル扱いの点だ。WiMAXなど他のポケットWiFiでは新規契約・申し込み時に無料提供されることの多いルーター端末だが、どんなときもWiFiの場合はあくまで貸与というのが1つ目のデメリットだ。

レンタルである以上、注意しなければならないのがルーター端末の破損・紛失時だ。この場合、18,000円の機器損害金がかかる点がリスクであり、また解約時の返却を忘れた場合も18,000円の機器損害金が請求される可能性がある点に注意が必要だ。

通信速度が下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsと他と比較してやや遅い

人気のポケットWiFiWiMAXでは新規契約・申し込み時に複数のルーター端末から好みの機種を選べるのと比較して、どんなときもWiFiの場合はモバイルルーター端末D1の1機種のみ。またこのルーターD1機種の通信速度スペックは、下り最大150Mbps、上り最大50Mbps対応とやや遅い点に注意が必要だ。

高速インターネット通信がメリットであるWiMAXの最新機種W06の場合、下り最大速度867Mbps(USBケーブルによる有線接続時は下り最大1.2Gbps)、上り最大速度75Mbps対応。比較して、完全無制限ポケットWiFiとは言え、端末の通信速度を重視する場合はどんなときもWiFiWiMAXかで悩みどころになるだろう。

どんなときもWiFiは海外でも利用可能だが、別料金がかかる上に無制限では無い

「海外利用も可能」はどんなときもWiFiの魅力であり、おすすめ理由としているが、海外での利用には別料金が必要だ。使用しなければ料金が請求されることは無いが、アジア・オセアニア・ヨーロッパ・北米の69カ国で一瞬でも接続利用すると1日あたり1,280円が、中東・南米・アフリカの37カ国で使用すると1日あたり1,880円が、それぞれ請求される。

海外WiFiルーターのレンタル料金は高くても1日1,000円を超えることは無いので、この金額はやや高額だ。その上、どんなときもWiFiの海外利用は無制限利用の対象外で、1日あたり通信容量は1GBまで、超過時には通信速度が384Kbpsまで低速化する速度制限がかかる。

この通信容量や1日あたりの料金を考えると、実はどんなときもWiFiの海外利用はメリットではなく、非常に高額コスパの悪いサービスだ。海外旅行時に頻繁にインターネットを利用する予定であれば、海外用のポケットWiFiルーターのレンタルがおすすめだ。

どんなときもWiFiと人気ポケットWiFiWiMAXのギガ放題プランを比較

以上のように、完全無制限・対応エリアの広いどんなときもWiFiだが、端末がレンタル扱いで機器損害金が発生するリスクや、通信速度がやや遅いポケットWiFiである点は注意が必要なデメリットだろう。また海外利用可能は、あまり利点と考えないほうが良さそうだ。

最終的にどんなときもWiFiを契約スべきかどうかを考えるにあたり、人気ポケットWiFiWiMAXの月間通信量無制限プランであるギガ放題と比較してみたい。

どんなときもWiFiのデータ放題プランと、WiMAXギガ放題プランの料金・速度・サービス内容比較

ポケットWiFiサービス どんなときもWiFi・データ放題プラン WiMAX・ギガ放題プラン
月額料金 3,480円 3,411円~(Broad WiMAX契約の場合)
月間データ通信容量上限 無制限 無制限
直前3日間のデータ通信容量上限 無制限 3日間で10GBまで
利用通信回線 ドコモ・ソフトバンクauの各LTE回線 WiMAX2+回線・auLTE回線
通信速度 下り最大150Mbps・上り最大50Mbps 下り最大867Mbps・上り最大75Mbps
ルーター端末の種類 モバイルルーター1機種のみ 複数機種から選べる上、モバイルルーターだけでなく据え置き型のホームルーター端末も選択可能
ルーター端末の扱い レンタル 原則、無料提供(ただし契約プロバイダによる)
契約期間 2年縛り 原則、3年縛り

どんなときもWiFiと比較して、WiMAXの場合は3日間で10GBの制限があり、超過すると速度制限が発生するため厳密には無制限ポケットWiFiではない点が最大の違いだろう。ただし、WiMAXの速度制限は夜間のみ、昼間は通常の通信速度で利用可能なため、昼間の利用については無制限だ。

上記の比較表を踏まえて考えると、

  • WiMAXの対応エリア内での利用
  • 3日間で10GBを超過するほどの大容量通信は行わない

場合は、通信速度が高速で、ルーター端末も無料提供されるWiMAXがおすすめと言えそうだ。ただし、地方など電波の繋がりにくいエリアにも出張・旅行する場合があったり、稀にでも3日間で10GBに到達するような大容量通信の可能性がある場合は、どんなときもWiFiがおすすめだろう。

現時点では、WiMAXもどんなときもWiFiも、それぞれ魅力的なポケットWiFiと筆者は考えるが、WiMAXの電波が比較的弱い地方在住の方であれば、迷わずどんなときもWiFiをおすすめしたい。

今後、利用者も増えて口コミ情報などが増えれば、さらに詳細をレビューして紹介していきたい、注目のポケットWiFIサービスだ。 

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